みなさんは、7月17日が世界絵文字デーであることをご存知でしょうか。世界各国の大手IT企業らがこぞって、ハッシュタグ「#WorldEmojiDay」をつけてお祝いメッセージを発表する一大イベントへと成長するなど、盛り上がりを見せています。絵文字発祥の国である日本人として嬉しい限りですが、なぜ7月17日が世界絵文字デーとして祝われるようになったのでしょうか、不思議ですよね。

始まりは、2014年でした。絵文字の研究者であり、同時に絵文字専門サイト「Emojipedia」の主催者であるジェレミー・パージさんが発案、iOSのカレンダーの絵文字の日付7月17日が選ばれました。なぜiOSカレンダーの日付なのかといえば、パージさんが熱狂的なiPhoneファンだったからだそうです。絵文字専門サイトを運営者ですが、たった一人で発案したことが、今や世界のIT企業やユーザーを巻き込んだイベントへと成長するなんて驚きです。

2016年からは、過去1年間で最も利用された絵文字を発表したり、絵文字の人気投票による「World Emoji Awards」を開催するなど、世界の絵文字作家の最大の目標ともなっています。アメリカ・ニューヨークの象徴でもあるエンパイアステートビルにおいて記念日を祝う黄色にライトアップされるなど、業界を超えたイベントとなりました。

発案者のパージさんは、世界屈指の絵文字専門家としても知られています。専門サイトEmojipediaの創設は、2013年7月にまでさかのぼります。きっかけとなったのは、当時ドーナッツの絵文字が存在していた期間に疑問を持つという些細なことでした。サイト創設から4年後の2017年には、月間ビューページ数が2300万回(シドニー・モーニング・ヘラルド紙)を超えたと報道されるなど、名実ともに世界最大の絵文字専門サイトとして知られるようになりました。

パージさんが創設したEmojipediaにも触れておきましょう。その名の通り絵文字に特化した百科事典サイトは、2017年時点において2600もの絵文字が登録されており、誰もが目的の絵文字を検索できます。内容の充実ぶりも知られており、絵文字が持つ含意(意味する表面に現れない意味)や成立の背景に加えて、パソコンやスマホなどに表示される文字コードの業界規格Unicode番号、iOSやアンドロイド、Windowsなどのプラットフォーム別の表示などを参照できるなど、かゆいところに手が届くサイトへと仕上げられているため、気になる方は一度訪れてみてください。きっと絵文字がもっと好きになりますよ。