絵文字といえば、ガラケー文化が独自に発展した日本発祥のもので、インターネットにおける表現方法として広まりました。
最初は特定キャリアの携帯電話のみの対応でしたが、規格化の働きかけによって、キャリアの垣根を超えた普及が行われました。
今ではパソコンでも表示できますし、採用するデザインにより実際の表示には差が生じるものの、WebブラウザやSNSも対応しているほどです。
この絵文字が主役の映像作品として、アメリカで3Dアニメーション映画が製作されました。
近年は、3Dアニメーションの質が向上しており、質感や表情の表現力が格段に上がっています。
多様な表現が可能な題材はまさにうってつけで、映画作品の登場は時間の問題だったと思われます。
映画は、絵文字の国のジーンの名前で2017年に日本でも公開されました。
タイトルにもある主人公のジーンは、本来の表情ができなくなってしまいます。
その原因が不具合にあると突き止め、修正することで元の自分になろうとする冒険の物語です。

舞台は男の子が持つスマートフォンの中で、テキストポリスという町で物語が繰り広げられます。
この町では住人にそれぞれ表情が割り当てられていて、表情が豊かなジーンは両親に心配されてしまいます。
仕事で決められた表情をしようと頑張りますが、結果的に失敗して大失態を演じてしまいました。
他の絵文字はみな困惑しますが、ハイタッチやジェイルブレイクと共に冒険に出て、本来の表情を取り戻すことになります。
公開されてからネットを中心に賛否両論ありますが、子ども向けとして捉えたり、頭の中を空っぽにすることで楽しめるでしょう。
元々モチーフがモチーフなので、ストーリーに深みを求めるのは難しいですし、真面目に考えるだけ損です。
映画の流れに身を委ね、展開の度に感情を揺さぶられるのが、この作品の楽しみ方だと考えられます。
いずれにしても、コメディリリーフ的にうんちが登場したり、可愛らしいキャラクターも出てくるので、重苦しくないのがポイントです。
日本語吹き替え版は豪華声優陣ですから、声優の演技を楽しむ目的で見るのもありでしょう。
世界的に知名度を高めた日本の有名人がゲスト出演しているので、そこも見逃せないシーンの1つとなります。
画面に絵文字が溢れる映画は、日常的にスマートフォンを使っていたり、ガラケー時代から使っていた人にとって親しみを覚えさせます。
楽しめるかどうかは人それぞれですが、しかし日本発祥の文化が映画になったのは感慨深く、文化が世界中に受け入れられていることが分かります。